ワイン・メーカー:Rebecca & Tomohiro Kisaichi
アペレーション:ナパ ヴァレー
収穫日:2017年9月21日 BRIX:23.3度
樽:フレンチ・オーク
熟成:6ヶ月
アルコール:13.8% 総ケース数:58ケース(12本入)
日本への入荷は5ケース(60本)のみ
≪私市友宏(キサイチトモヒロ)氏と妻のレベッカさんが造るまぼろしのワイン≫
ワイン・メーカーのコメント:数年に一度、少し冒険心にかられ、何かわくわくするような品種に挑戦したくなる。2017年そんな気持ちを満たすソーヴィニヨンブランに出会った。この小さなロットのソーヴィニヨンブランはナパの中心に位置するラザフォードのダラ・ガスペリナ ヴィンヤードのものだ。砂利が混ざった粘土質と火山性由来の砂質、海洋性堆積土の組み合わせで出来た土壌は素晴らしい水はけの良さがあり、ブドウの成長には最適だ。
このソーヴィニヨンブランは醗酵には木樽を使い、自然な醗酵を促した。その結果、はじけるようなクリスピーさとスムースな口触りのあるワインとなった。この夏、このワインを皆様にお届け出来る事は大変嬉しい。
期待通りの春の草原のような香り、レモン・ライムなどのシトラスの香りが心地よい。スムースでバランスのとれた味わい、ネクタリンにほんのりとオークの香りが重なるように感じられる。かすかに鉱物的な香り、味わいもある長い余韻が楽しめる。素晴らしい酸がとても心地よいリフレッシュな味わいのこのワインは新鮮なホタテやオイスター、ライムのセヴィーチェなどとの組み合わせがおすすめ。
待望の新アイテム、5ケース(60本)のみ入荷の超レアアイテムです。
【ご参考までに】
『東京カレンダー』2008年11月号P198~201に俳優の大沢たかおさんが「幻メルロー」「幻ピノ」「幻カベルネ」「幻シャルドネ」を醸しているカリフォルニアの私市さんを訪ねるという特集記事「芳醇なるワインの里へ」にその様子が克明に書かれております。
また11/26スポーツ報知において元巨人軍/元パイレーツの桑田真澄投手がこの幻ワインのファンであることが報じられております。
【幻のワイン】
カリフォルニアでワイン作りに情熱を傾ける一人の日本人がいます。私市友宏(きさいちともひろ)氏である。妻レベッカさんと共に自分達のワイン「幻メルロー」を1999年に初めてリリースしました。この二人が手がけた初ヴィンテージ、ここまでの道のりは決して平坦なものではありませんでした。
私市氏は大阪府交野市生まれ。家業が酒類販売だったこともあり青年期からさまざまなお酒に慣れ親しんでいました。お店に並ぶ国内外のワインを体験し続ける中で、「アッっ、これは!!」という素晴らしい出会が彼に訪れました。そのワインの名は“ラ・ターシュ”。出会ってしまってからというもの、自分の中でワインを造ってみたい、みようとの思いがつのり、お店の主人としての地位を捨て、自分自身のワインを造ろうと決心。その年である1991年に、素敵な米国人女性の奥様、レベッカさんと3歳になる詠美ちゃんを連れ立って、私市氏は半ば勘当同然でワイン造りの修行へと、フランス、ブルゴーニュへ旅だったのです。
彼の現在ある類まれなる非凡さのエネルギーはこの出発が原点です。1月からジュブレイ・シャンベルタンのドメーヌ・アルマン・ルソーで1年間働くことになりました。しかし、そこで待ち受けていたのは期待とはかけ離れた、過酷な肉体労働でした。有名ワイナリーでの仕事は、ぶどうの木の剪定から房の摘み取り等、ありとあらゆる力仕事からなり、「ワインを造る」事からはかけ離れた単純作業でした。(もっともこの経験が現在の仕事の根幹をも担っているのはまぎれもない事実です。)求人広告を頼りに他のワイナリーを回ってはみたものの環境はそう変わりそうにもありませんでした。個人的に親切な人もいて、友人も出来たのですが、フランス語が苦手な妻のことも考え、新天地を一路カリフォルニアに求めることにしました。
二人は1年間のフランスでの経験を通して、フランスワインの出来上がってしまった“型”を実感し、自己実現の可能性はカリフォルニアにあると考えたのです。カリフォルニアの澄んだ青い空の下、肉体労働者としてではなく、セラー・ワーカーとしての道を歩み始めました。友宏氏はストーンストリート・ワイナリーのセラーワーカーから始め、現在はミシェル・シュランバージェ・ワイナリーでエノロジストをしています。レベッカさんは、
サイモン・レヴィ・セラーズにてワインメーカー(醸造責任者)として活躍しています。また2人でソノマのロシアン・リヴァ・ヴァレーに念願のピノノワール畑を購入、敷地内に新居を構え自分たちの畑から取れたピノノワール造りに力を注いでいます。
【名前の由来と今後】
フランスに行くことを決心したとき、知人に「夢か、『まぼろし』みたいな話」と言われたそうです。それがずっと心の片隅に残っていて、二人のワインは「まぼろし」だったかもしれないワインという事で、「まぼろしワイン」と名付けられました。ぶどうを購入し造り始めた「メルロー」そして、「カベルネソーヴィニョン」、そしてぶどうから育てていきたいと願っていた二人は21世紀、念願の自分たちのヴィンヤードをソノマのセバストポールに購入。ピノ・ノワールが植えられた畑と共に夢に向かって着実に一歩一歩前進してきました。
彼らの夢の担い手となった、メルローとカベルネ、そして現在においてそれらが集約された、2006年ヴィンテージのピノノアールは、今日までのマボロシのようなお話しを語り、今後のマボロシのような夢を見させてくれることでしょう。
【ラベルの意味】
ラベルの絵はシャガールっぽい感じ。私市氏自身シャガールが大好きとのこと。ラベルに登場する鳥(イーグル)は「スクリーミング・イーグル」、羊(ムートン)は「シャトー・ムートン・ロートシルト」を意味しており、両者ともカリフォルニアとフランスを代表する名品。もわっとした「まぼろし」をその「スクリーミング・イーグルと「シャトー・ムートン・ロートシルト」が追いかけているという設定なのである。